Thunderbird 自転車旅行記

個人的なサイクリング旅の備忘録 サイクリングをしながら鉄道も楽しむ旅へ。よく駅に寄りながら線路沿いをサイクリングしています。現在、サイクリングと並行して駅のスタンプを収集中です。

大回り乗車の旅 3.和歌山編

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 いよいよこれでラストになります。最後になったのは阪和線と和歌山線の部分。これらはおそらく1番ハードなのではないかと思っていたからです。(理由は後述)


 今回の主な経由地は王寺、五条、和歌山。いちいち学研都市線とかを使う時間はなかったので、久宝寺スタート。乗り継ぎのことがあるので、時計回りで旅を始めます。


 まずは大和路快速奈良行きに乗車。王寺まで止まりません。
 この電車に乗ったのは何回目かわからないくらい乗っています。そして、線路沿いを自転車で幾度となく奈良まで走っていたので、もはやホームトレイン。でも、最近乗ったのはいつだろうか、、、。
列車は120km/hで府内を突き進む。
 そのうち、柏原市役所の裏を通ります。役所の川側はサイクリングロードで、安堂交差点があります。ここは工事現場の足場が崩れた現場です。いつだったかは覚えていませんが、このために大和路線が1日見合わせになりました。今では対策が行われたのでしょう。すっかり元通りです。
 近鉄大阪線をくぐり、高井田を過ぎると山岳部、、、とは言っても関西本線の非電化区間とは比べ物になりません。大和川を何度も渡る線形で有名です。
 河内堅上駅から奈良県。ここは春は桜が綺麗です。そういえば、駅の手前の集落側の車窓にあったコンクリート壁に描かれた絵が青っぽいのから変わってたな。この辺りは国道25号を通りたくないときの奈良方面への道として通っています(竜田越え奈良街道の一部)。


 さて、山も抜けたところで追い大和川。そして三郷駅を通過し、その後速度を落として大きなカーブを曲がり、王寺駅に入線します。どうでもいいですが、私は1度神前橋というところでパンクしたことがありました。この時に困ったのが奈良県の自転車屋の少なさ。修理をする技術を心得ていなかったので、その時はしぶしぶ輪行で帰りました。それで、駅までが遠い。徒歩ですから。


 王寺駅は大きめな駅で、大和路線の普通はだいたいここまでで首を切られます。近くが山ですし、落ち着いた雰囲気です。なんですが、王寺は学生利用が多い駅です。よって、時間帯によってはあたりが学生だらけとなります。今回それに当たってしまった、、、。とほほ、、、。


とりあえず、時刻表、及び駅スタンプがあったので収集。
 
 王寺からは和歌山線で和歌山まで向かいます。今回は五条乗り換えで行くことになります。車両は新型227系です。ラインは緑でスタイリッシュ。どうやら2両編成を2つ連結して4両編成にしていました。


 王寺を出発。16時台でしたので、車内は賑わっていました。大きなカーブを曲がり、大和川を渡ります。そして、奈良県を南下します。自動放送が導入されているようで、ワンマン運転を支えています。なんと4ヶ国語。発音はちょっと外れていた気がしましたが。


走行しているうちに、畠田。意外と多くの人が降りて、車内に余裕が生まれました。
その後、国道168号が寄り添ってきて、チェーン店舗が多くなり始めます。一方でその反対側は田んぼが広がっていました。中には、彼岸花がきれいに並べられているものが多くありました。稲穂が実り、美しいまほろばの風景、、、とは完全にはいえません。まだまだ家や高架など人工物が多くあります。奈良といえば、そのような自然と人工物が入り乱れているようなイメージがあります。あと、水路が多い。


まだまだ街中。何故か近鉄への乗り換え案内がされない高田を過ぎ、さまざまな道路や鉄道の高架をくぐり、進んでいきます。中には、飛鳥に行った時に通ったものも。中和幹線や、大和高田バイパスの高架下など。



徐々に緑が本格的に増えてきました。新型だけあって、揺れが少ない。すごい! 
最初の長時間停車駅は吉野口駅。近鉄との兼ね合いで、10分くらい止まりました。その間、駅を軽く散策。年季の入った地下道、同じくトイレ。同じく建物、看板。時刻表は近鉄吉野口駅と和歌山•万葉まほろば線版でした。山に挟まれている田舎の駅といったイメージを持ちました。近鉄の電車がすっかり行ってしまったころ、五条行きが発車しました。


えらく勾配があるところを登っていきます。駅間も長いなぁと思っていたら、次の駅は北宇智でした。スイッチバックのあった駅です。そらそうです。前で見ていると、峠らしきものがはっきりとわかりました。これってあまりないことだと思います。


国道24号の高架が見えてきたところで北宇智をすぎてなお下り勾配。そして、街中へと入っていきます。バツ印があったので第4種踏切があるのだろうと思えば、それとは別にところどころ勝手踏切がありました。これって問題ですよね? しかし、現実にはそれがないと負担が大きいのでしょう。私からすれば、素の線路を渡るのは考えただけで寒気がしますけれども。


駅到着前のメロディがいいなと思っているうちに、五条駅に到着。ここで多くの人が降りました。乗り換えの時間で駅を軽く散策。構内は広めですが、実際に使っているのは一部なんだろうなと感じます。例によってホームは地下道で結ばれていて、喋り声が響く。時刻表は、五条駅のものとあとは吉野口駅の時の蛇腹。近くの電波塔が街らしさのシンボルなのでしょうか。


和歌山行きの普通が入線。227系2両。引き続きクロスシートではないのが辛い。これが一番の理由。そして、ワンマンカーなので、全面展望はイマイチなのでした。


出発して、白の枕木と茶のバラストのローカル感あふれるコントラストを見ていると、まもなく日が暮れてきました。それまでに和歌山線の景色を楽しんでおこうと思ったのですが、思ったよりも単調だったことや、なかなか紀の川が現れないことで、楽しめていませんでした。それでいて、日暮れを迎えました。景色はほぼゼロに近い。そして、車内は学生が多く乗り込んできて、、、。


来る時間がもう少し早ければ、、、!


そんなことを思っても、後戻りは出来ません。何より運賃が不足。ここまでの料金プラス別ルート代ですから。


とは言っても、少しは明るいので山の端くらいは見えました。ただ、ハイライトの紀の川が全く見えない。橋本を過ぎ、西笠田のあたりでようやくうっすらと見えましたが、すぐに隠れてしまいました。まだまだ駅数がある。しばらく地図を眺める。粉河で多くの人が乗車。前が見えない、、、。


岩出駅を過ぎて、ようやく紀の川をはっきりと、、、!? 全く水面が見えなかった。
電車は名手駅、布施屋駅で退避。外に出ると、空気が冷たくてすがすがしい。電車だとこれが味わえない。そういえば、和歌山線は難読駅名の宝庫。「ほしや」なんて読めません。


電車は田井ノ瀬駅を過ぎ、大きく曲がってついに和歌山駅に到着しました! 王寺駅から35駅目。遠かった!! 今まで景色を見ようと王寺からずっと立っていたので腰が! どうやら2時間40分立ちっぱなしだったようです。でも景色を見てたから、、、。途中まで。
 
久しぶりの大きな駅。和歌山駅は自転車で何度かきたことがあるので、馴染みがあります。




時刻表はJRは駅と路線蛇腹、そしてわかやま電鐵は蛇腹。わかやま電鐵の表紙のデザインは前のものと変わっていました。こちらもよかったです。
ホームには乗り越し改札があり、これは駅員さんに言わないと通してくれません。これだけは気をつけなければなりません。でも駅員さんも慣れているようで、特に説明せずとも大回りと言っただけで通していただけました。


さて、旅もいよいよ大詰め。紀州路快速で天王寺まで向かいます。待ちに待ったクロスシート。始発なので余裕を持って座れる。
なんだろうかこの安心感は。知っている電車に乗るだけでずいぶんと違うのか。
快速ですが最初は各停。紀の川を渡り(この時は皮肉にも少し川を見られた)、右にカーブすると、右手には和歌山市内のきらびやかな街の明かりがあって美しい。ここが今回のハイライトとなってしまった。


トンネルをくぐり、大阪府へ。雄ノ山峠は自転車で行きましたが、鉄道はトンネルでパスしてしまう。恐ろしい。


日根野で関空・紀州路快速となり、北上。ついでに飛ばし始める。和歌山とはなんとなく違うのが、ビルの多さ。一戸建てよりもビルが多いから都会に感じられるのだと思いました。


大和川を渡れば、ついに大阪市。見覚えのある景色もある。一気にビルが増えて明かりが多く感じる。今までと比べているから、より感じました。


そしてついに、天王寺到着。大回り乗車完了!


移動距離は163.8km それでいて運賃は180円也。


過酷な和歌山の旅でしたが、たまにはこういうことがあってもいいと思います。


最後に、正直にいうと、この旅の区間に関しては、自転車の方がいいのではないかと思ってしまいました。



大回り乗車の旅 完