Thunderbird 自転車旅行記

個人的なサイクリング旅の備忘録 サイクリングをしながら鉄道も楽しむ旅へ。よく駅に寄りながら線路沿いをサイクリングしています。現在、サイクリングと並行して駅のスタンプを収集中です。

大阪から三原まで自転車で挑戦!! 福山・尾道経由

これは前々から計画していた、ロングライドの旅です。三原へは最近親戚が引っ越し、いつか行ってみたいと思っていたところでした。一度岡山から広島まで行ったときはまだ引っ越してきておらず、まさかまたここに来ることになるとは、と思ったものです。その時はすぐに三原を後にしたもので、はっきりと覚えていませんがなんとなく海がきれいなところだった気がします。





大阪から三原までは約280キロ。こんな距離行ったことがありません。平均15キロで行って18時間ちょっと。20キロで行っても14時間かかる道のり。在来線で行って5時間弱。でも、やってみないと分からないでしょう!


テスト期間を挟んだためほとんど運動できておらず、体力は確実に落ちてしまっています。前日は夕方にある程度寝たものの、夜は緊張か、アドレナリンかでほとんど眠れず。こうして朝を迎えました。


3時起床。朝ごはんを食べて、最終準備のあと自宅を4時に出発です!
姫路までは行き慣れた道。今日の風向きは南風で、まだ向かい風じゃないだけましでした。


寝られなかった分、頭がおかしなことになってましたが、とりあえず大阪市内を抜け、2号線を走ります。今日はお世話になります。まだまだ暗い時間なので、ライトを点灯しながらです。
早朝ですが、かなりの交通量で、垂水のところに至っては渋滞が発生していました。


明石海峡大橋で少し休憩します。7:00

やっぱり気持ちいい場所です!ちょうど日も出てきていい感じになっていました。
7時から8時くらいには登校する多くの学生が自転車に乗っていました。しかも集団です。なかなかこんな時間にこんなところに来ないので新鮮な感じがします。


そんなこんなで姫路へとやってきました。9:30

いつもならここまでのことをしっかり書きますが、ここまでは準備のようなものだと思っていたので軽く。姫路城がきらびやかに輝いている光景はなかなか。朝から散歩する人が多いこともうなづけます。


ここらで朝ごはんで牛丼をいただきました。運動した後のは最高です!並盛りでは足らなかった気がします。


次は赤穂へ向かいます。2号線で相生まで。少し山を超えると龍野の街並みが広がっています。買い物できる場所が多い感じでした。揖保川を渡って、しばらく走ると相生につきました。11:00

東横インがよく目立ちます。相生陸橋から250号へ入り、これで岡山まで向かうことになります。


相生の道の駅はなかなか派手な感じで、ペーロンという伝統文化ということでした。そして、ここからなんとなく海が近い気がしてきます。
山を超えるのですが、ただ高取峠をこえてもあれなので海沿いに1本道をずらして行きました。登りの後、IHIの施設や発電所など、ダイナミックな施設を見ることができ、道路も大型の橋やトンネルで貫通しているような感じです。なかなか面白い。牡蠣の養殖いかだが穏やかな海に浮かんでいる、この地ならではの光景も。それを過ぎると海沿いに坂越の街を過ぎて行きます。海と家が近い港町はやっぱり新鮮で、住んでみたいような気がします。坂越の中心部は伝統的な街並みが残された地区があり、ご存じの方も多いのではないかと思います。ここにいたい思いもありつつ、先へ。千種川を渡って赤穂の街へ入って行きます。


播州赤穂駅到着。12:15
個人的に思い入れがある駅。以前、岡山まで向かおうとしてここまでしか行くことができず、悔しい思いをしたことがありました。今日は真っ暗の駅舎とは違って、今日は白を基調とした本来の姿をみることができました。運行系統が分かれる駅だけあって、知名度が高い気がします。前回押せなかった駅スタンプも無事押せました。


ここでも牛丼をいただきました。今回はセットです。やはり美味しかったのですが、足りなかった気がしました。食べても食べてもお腹が空くような感覚で、なかなかまずい気がしますが、先へ行きましょう。結局最後までこの状態で行くことに……。あれは一体なんだったのだろう?


赤穂からは海沿いメインですが、まずは軽く岡を2つ越えて岡山県に突入です。13:30

今日は岡山を横断するのか。よく考えるとやばい。そういえば兵庫もか。


備前日生大橋を横目に海沿いを行くと、日生に到着しました。大きな港もあって、観光している人もちらほら見かけました。カキオコで有名なところなので、それを求めてきたのかな?
このあたりで赤穂線の電車を見かけました。この路線は山陽線のバイパスの役目をしているか微妙ですが、18きっぷのシーズンには迂回路としても使えるのではないかと思います。海沿いには走っているのですが、なかなか海が見られないようです。
工場地帯のようなところを抜けると、備前中心部に入って行きました。
片上鉄道の起点を示すモニュメントがあって、現在ではサイクリングロードになっているようでした。近くにはDD13-552号機が雨ざらしではあるものの静態保存されていました。前回来た時は気づかなかったので、相当疲れてたのかな?


伊部(いんべ)14:15 で2号線と合流しますが、このまま行くのではなく西国街道を通って行ってみました。このあたりは伊部焼の産地になっていて、趣ある煙突や建物が街道沿いに広がっていました。いくつか販売している店もあったのでまたのぞいてみたいと思いました。


その後、大きな池が左手にあり、ここから山陽新幹線がよく見えました。せっかくなので何度か撮影しました。緑の山の背景に白の新幹線が映えます。この後そのまま2号線に合流しますが、吉井川河川敷からもきれいに新幹線を見ることができました。ここは有名な撮影地のようです。


川沿いに少し行って、備前大橋を渡ると岡山市に入ります。2号線のバイパスと分かれて250号へ再び進みます。
上道駅を過ぎて、赤穂線をくぐり、原尾島で折れます。この地名、懐かしい!ここまで来れば岡山駅はすぐだと思って、一心不乱に来た記憶があります。ここは点字ブロック発祥の地のようで、記念のモニュメントがありました。


せっかくなので後楽園を見てみよう!と思ったら臨時休業でした。ガーン。


気を取り直して、岡山駅到着です!16:00
路面電車のある風景もいいですね。建物は結構近代的で、かなり都会です。大阪の天王寺を思い出したのですが、こちらの方が混み込みとしていません。


駅に用はないのですが、区切りがいいので寄ってみました。特に数年前来た時と変わっていません。でも明るい時間にここに着いたのは初めて。

ここまでちょうど12時間くらい。いろいろ観光とかしながらなのでいいペースで来ています。

姫路までちょうど100キロ、ここまで200キロ弱なのでなんとなく区切りがいい。


駅北側の通りが高梁川まで続いていたのでこのルートで行ってみることに。前回は駅の南側の道路で行き、なんとなく運転が荒い印象で舗装も微妙だったので今回はこちらへ。


赤穂から軽いハンガーノック状態でここまでやってきたため、ここで軽食を取り再出発。やっぱり食べても食べてもお腹が空く感じ。なんなんだ?


正直、走りにくい……。新幹線高架下は特に信号にすぐ引っかかるので全然進まず。ここまでのストップアンドゴーは実は今日初めてで、ここにきてのこれはなかなかつらかったです。ただ、歩道は広くて走りやすいので助かりました。


ここで、ついに日が陰りはじめました。夜の走行が始まってしまうということでした。これは想定内だったのですが、先ほどの道の走りにくさは想定外で、タイムロス。距離のことしか頭にないので新幹線沿いに行って、ある程度のところで2号線に戻ることに。
ただ、おそらく暗いし土地の知識も乏しいので早めに幹線へ戻らなくてはと考えていました。


ここまでずっとだましだまし走ってきて、自分でもなんでこんなに走れるんだろう?と思う域に到達。ここまできたら諦められない!
そう思うと進まずにはいられない。


新幹線沿いはまずまずの走りやすさ。舗装も普通で、車もそこまで多くない。ライトは必須です。


そんなこんなで新倉敷駅に到着。18:00

岡山から結構時間かかってますね。

実は、最初は西国街道経由、つまり井原線に並行するルートを考えていたのですが、夜間走行が心配なのに加え、地理も明るくないため断念。距離はそこまで大きく変わらないので、また行ってみたいルートではあります。よって、この駅に来る予定は全くなかったわけですが、なんだかんだで到着。駅の中を見る元気もなく、ただ軽食を食べていました。


ここで、電灯を大量につけた、自転車旅をしているらしき人が前を通り過ぎて行きました。どこに行くのか聞いてみたかったなあー。


そういえば、山陽本線では見かける電車がほとんど貨物。しかも桃太郎がほとんど。旅客列車よりも本数が多いのかと思うほどでした。実際のところはどうなのでしょう?


引き継ぎ高架下を走り、その後山の手前で外れて左折し、山沿いに少し行くと、里見川でこれを川沿いに進みます。もう真っ暗なので落ち着いて行きます。


金光のあたりから2号線に復帰します。なかなかの交通量で、喉に痛みが。黄砂とか花粉とかもあるのかもしれません。



岡山から福山までの区間が1番苦しかった。絶えずある緊張感。収まらない空腹。夜の変わり映えのない景色。擦れるサイクルパンツ。そして長い長い道のり。何度福山までの距離を確認したか。もはや三原までは調べる気になりませんでした。後から見るとほとんど写真をとっていませんでした。そして、果たして間に合うのかという問題。焦りもありました。
でも、ここまできた。行くしかない。そう言い聞かせ続けました。


あまりの空腹に、コンビニへ立ち寄り、カップ麺と飲み物を補給。うまいうまい。
たぶん入れるカロリーより出るカロリーの方が大きいから空腹になるんだろうなあ。というよりこんな状況に普通はならない。


ひたすら突っ走って、見覚えのある坂へ。あっ!これは!?


広島県福山市突入!20:00
暗くて看板がかすかに見える程度でしたが、確かに突入しました!福山までこれば、なんとかなるかもとこの時初めて思い始めました。


福山市街地に近づくにつれ、道路沿いにお店が増えていくので明るいです。やっぱり明かりがあると安心します。うおーー!走るぞー!


福山は通るだけで終わり、芦田川を渡り、川沿いに進みます。そう、この景色です。尾道は近いはず。
バイパスは通れないので備後赤坂の方へ行きます。急に真っ暗。通る車もぐっと少なくなります。なぜか寒さを感じ始めると同時に、向かい風が。今までは車が風よけをしてくれていたのが、無くなったからでした。


尾道まで地味に長いので勢いで行ってしまいました。
尾道大橋が見えた時はうれしかった!夜景だからか、きれいに見えました。21:30


人気のない尾道市街地を抜けて行きます。観光地に人がいないと怖くて仕方がない。夢でもみてるかのようで。


軽くコンビニで補給して、ラストスパートです。満身創痍という言葉そのものの状態で最後の力を振り絞って走り抜ける。もうなんかゾーンに入っていた気がする。海なんて見えない。ただ目の前の道路を突き進む。


糸崎の駅の前を通過。さあ、いよいよだ。
線路をオーバーパスして見えてきたのは三原の街。本当にやってきた。やってきてしまった。


三原駅到着22:30
ついに到着した。体はもうボロボロになってしまったが、なんとか無事に無事故で三原まで到着することができた。
何度も諦めかけたが、ここまできたから、と自分をだまし続けること100キロ強。こんなにまでしてなぜ行くのか。自分でもよくわからなかったけれど、エクストリームなことに対する興奮が自分を奮起してかきたてたのかもしれない。



親戚の家には容量的に泊まれないので、事前に予約したホテルに宿泊しました。到着が夜になってしまいましたが、問題なく入れました。自転車は外に置いておくことに。
今回はスーパーホテルに宿泊しました。ビジネスホテルなのでコンパクトな部屋、温泉ですが、十分快適でよく眠れました。枕を自分で選べたりするので眠りにこだわっているんだなぁと感じました。温泉は近くの源泉からのもので、疲れがよく取れました。疲れた時のお風呂は本当に最高です!
部屋に戻り、即、眠りにつきました。



-2日目-
朝ご飯が無料で食べることができるとあって、これは食べないと!と思いアラームをセットするも、楽しみすぎたためか、なぜか1時間前の5時半に起床。自分でもびっくり。
というのも、たこカレーがいただけるのです!三原はたこが有名で、そのたこを使ったカレーがあると昨日うかがい、楽しみにしていました。さらに、ビジネスホテルには夕食はないので昨夜はほとんど何も食べなかったのでお腹がぺこぺこ。ずっと空腹だった状態からようやく回復しそうです。


1番乗りで真っ先にカレーをいただきました。あっ!うまい!!たこの弾力、歯ごたえを感じるとともに、噛めば噛むほど出てくるうまみ。そして、これをカレーとご飯とともに……。最高のほか言葉がない。
ほかに、オーガニックの食材を使った料理が並び、飲み物も飲み放題。焼き立てパン、サラダから、味噌汁、焼き魚や卵焼きなど幅広く、勢いのままうまいうまいと食べに食べました。昨日あれほど感じた空腹もあってか、「食べる」ことがどれほど幸せなことかを噛み締めることができました。


このブログで宿泊は実は初めてで心配でしたが、問題なくもはや最高でした。また泊まりたいと思ったほどです。


2度寝して少し休んだ後、三原をぶらぶらすることに。ここで自転車乗りの親戚と合流して、まずは須波へ。沼田川を渡ります。ぬたがわって読めないなあ。
このルートは海がよく見える最高のコース。あいにくお尻が痛いのでそれほど走れませんが、しばらく海を堪能します。須波でいただくのはたこ焼きです。大阪の人なのにここで食べるの?と思うかもしれませんが、ここのたこがなかなか大きいサイズで、歯ごたえ抜群のたこ焼きを食べられるという親戚からの情報で行ってみることに。


たこがでかい!あつあつとろとろのたこ焼きの中に贅沢にごろっとたこが入っていました。すごく美味しかったです。


近所には海浜公園があるので寄ってみることに。瀬戸内海独特の風景、つまり穏やかな海と海上の多くの島々、そして晴れ!をゆっくり感じることができ、ここにずっといたいなあと思いました。


少し三原へ戻って、須波駅へ。ここでetSETOraが通るということで、見に行きました。これは呉線の観光列車で、海などの絶景スポットでは停車もしながら眺めを見ることができる、というものでいつか乗ってみたいと思っているものです。
しばらく待っていると、2両のディーゼルカーがやってきました。白地に波を模したブルーのラインが入った、リゾート感あふれる列車で、乗っている人も結構多かったように見えました。さぞかしいい景色を見ることができたのでしょう。


駅に思ったより長いこと停車していたので、思う存分見ることができました。呉線にいつか乗ってみたいなあ。


三原に戻って、こだまというおはぎ屋さんへ。ここでは、おはぎではなく、たこ天を購入しました。この店かなり有名なようで、多くの写真が飾られていました。後ほど食べることにして、次はスーパーへ向かいました。


イオン三原店にて、中をうろうろします。と、いうのもスーパーってその地の物なんかが少しばかり反映されているのでおもしろいのです。
牛乳やみかん、たこなど多くの三原産のものが売っていました。あと、お好み焼きがなかったのが気になりましたね。また、お土産コーナーもあったのでいくつか購入しました。はっさくゼリーはおいしいのでつい買ってしまいます。
大阪名物月化粧があったことは見なかったことにしておきましょう。


スーパーの後は三原駅へ。この駅、三原城跡と一体化しているのです!新幹線の高架が城跡と合体しているかのようで、すごいことになっています。反対運動とかなかったのでしょうか?


その後は2号線バイパスの近くにある道の駅、みはら神明の里へ行きました。ここではお土産や地元の新鮮な食材などが数多く販売されていました。個人的に目を引いたのは尾道ラーメンといちご。ラーメンは1列全てが全部ラーメンのコーナーになっていて、どれを買おうか迷ってしまいます。いちごは朝どれの新鮮なものが安くでいただけました。道の駅っていいですね!


また、三原発のクリームパン屋さんの八天堂も出店していました。こちらでもお土産を購入しました。とろとろのなめらかなクリームが薄皮のパンにぎっしり入っていて美味しかったです。


道の駅の前では尾道ラーメンの店が出店しており、食べてみることに。尾道ラーメンの美味しさは知っているつもりですが、やはりいつも新鮮な味わいです!出汁しょうゆラーメンにかたまりの背脂がごろっと入っているので、濃くなくてしつこくなく、また背脂でコク出てうまい!いつでも食べたいです。


ここで、先ほどのたこ天をいただくことに。直径2センチほどの極太のたこが入っていて、なかなか噛み切れない。いざ口の中に入ると、かみごたえとともにうまさが出てくる。たこのおいしさを存分に楽しむことができる一品でした!


道の駅は高台にあるのでここから三原の市街地がよく見えました。左から、瀬戸内の景色しまなみ海道、糸崎、そして三原の街が一望できました。大パノラマです!
昨日は曇天だったので今日は雲ひとつない青空が見えて最高!



さあ、帰る時間がやってきました。とても名残惜しい。
帰りは新幹線でもよかったのですが、ここは山陽本線で帰ることに。昨日通ってきた道を見ながら帰ることができるので。あと、新幹線だと早すぎて体がびっくりするかもしれません。


糸崎駅から乗車です。留置線には多くの車両が留まっており、ここが交通の要衝であることがよくわかります。糸崎から東尾道までは海がよく見えます!瀬戸内海と尾道の景色をきれいにみることができました。


基本的に駅間が長いのであっという間に次々と進んでいってしまいます。気がつけば福山でした。その後の福山貨物ではニーナが止まっていました!


その後は新幹線と近づいたり離れたり。昨日たしかに通ってきた道がたしかにあるんだけど、とんでもない速さですすんでいる!電車速すぎです。


倉敷、岡山では岡山地区の電車を多く見ることができました。特急やくもや南風、105系、113系、115系、117系、213系、さらにキハ47系。ラ・マル・ド・ボァの編成も見ることができました。やくもをはじめとして新型車両による置き換えが進む中で消えてしまうかもしれない電車たちを見ることができてうれしかったです。


いよいよ夜になっていくにつれ、山陽線も山間部に入って行き、不安になるくらい暗い。姫路に着くころにはなかなか都会であることを実感しました。
新快速に乗り換え、あっという間に大阪到着です。三原のゆったりとした時間の流れが恋しいような、大阪の帰ってきた感じがするような。



今回の旅はもう最高でした。走り切った達成感と観光できた楽しさ。そして、何もトラブルなく行くことができたこと。言葉がありません。


体が大変なことになってしまいましたが、なおったらまたどこかへいってみたいなと思いました!



ここまで読んでいただきありがとうございました!