Thunderbird 自転車旅行記

個人的なサイクリング旅の備忘録 サイクリングをしながら鉄道も楽しむ旅へ。よく駅に寄りながら線路沿いをサイクリングしています。現在、サイクリングと並行して駅のスタンプを収集中です。

雨・冷風・アップダウンを越えて! 地獄と化した大阪から白浜修行ライド170km!!!

言わずと知れた有名観光地、白浜


前回、和歌山までのいいルートを確認しましたので、今回はそれを踏まえて一気に白浜ライドを決行しました。


なんですが、タイトルにもあるようにコンディションは最悪でした。
その日は朝から晩まで雨。降水量は常に約2mm/hという、いわゆる「しっかり雨の日」。
そして、後から知ったことですが、今シーズン1番の寒さとなった日でした。


とにかく言えることは「行かない方がいい日だ」ということだけです。


しかし、今のところ今日を過ぎると数週間はサイクリングに行けないことが決定していたので、意地でもいくことにしました。
さて、どうなることやら。


記録


朝は予定より少し寝坊。
6:30   出発 1時間半遅れ。


和歌山までは前回記したので割愛しますが、前回とは景色が全く違っていました。

雨で車が渋滞。それに巻き込まれる。
大型トラックが通るたびに水しぶきが全身に。
咲洲庁舎は雲に突き刺さっている。


10分進んだだけで靴はお亡くなりになりました。
そういえば装備ですが、念のため完全防水仕様にしました。上着、ズボン、ザックは全て防水です。靴は防水スプレーをふっておきましたが、通気性抜群の生地には効果がないようだ、、、。
寒かったのでネックウォーマーをしていきました。これは綿なので、外側はすぐに死亡。また、グローブはポリエステルでこれまたすぐに死亡。
サングラスをして行ったので目に雨は入りませんが、水滴で前が見えない。


開始早々雲行きが怪しい。白浜に着けるのか?


この前の反省から、旧26を双子池北で左折したルートで和泉鳥取駅、そして雄ノ山峠に行きました。途中変に上りがあったのが残念。


雄ノ山峠を駆け上がって、とても慎重に峠を下り、麓まで来ました。


ここからのルートなのですが、同じように白浜ライドをしている人のブログを見ていると、和歌山市内から海南まで信号地獄だということがわかりました。では、それを回避しようと思ってルートを考えました。


ルートとしては、矢田峠、伊太祁曽駅を経由して海南まで向かいます。道路番号でいうと、和歌山県道138、9号の順です。
一切和歌山市中心部を通りません。


矢田峠ですが、どの程度のものなのかというと、向かい側からママチャリが2台来るほどでした。つまり、キツくない。
しかし、全体的に交通量が多いので気をつけた方がいいです。それはトンネルも然りです。


全体的な状況として、とても走りやすかったです。信号がとても少なかった。ただ、峠までの道が複雑なのがよくなかったかな。


さて、伊太祁曽駅到着。10:00
ここで初めての休憩。しかし、雨と寒さがあるので出来るだけ早く出発したい。そんな中、目の前を駅員さんが通りました。なんと、猫を抱えて。
すっかり忘れていましたが、喜志駅だけでなくこの伊太祁曽駅もネコ駅長が配置されていたのでした。そして、駅長の営業時間は10:00から。なんと時間ぴったり。
駅長は駅舎の角にある駅長スペースに移されて、まんざらでもないというような感じであちこちをうろうろしていました。とはいえスペースが広いわけではないので、少しすると寝てしまっていました。今日は雨で人も少ないだろうからね。
猫のタマ戦法で勝利した和歌山電鐵ですが、私もその作戦にはまりそうになりました。
今は元気をもらうだけにしよう。そう思って伊太祁曽駅を後にしました。白浜までまだまだあります。


阪和自動車道にあたる時に左折するのを忘れそうになって焦りながらも、無事に
海南駅到着。10:45 時刻表収集


虹が青基調になったような装飾がなされていて、ついに海か!とわくわく、、、。いや、寒いからどうなるか?
駅に入って風よけ。いやーびしょびしょだから場違い感満載。
時刻表は駅のものが。蛇腹ではないところから、きのくに線はローカル線ではないのではないかという印象を持ちました。たしかに本数も思ったより多い。


結構休んでから出発。海南からは未知の世界に入っていく。遠くに見える山にはもやがかかっていました。


有田までは国道42号を仕方なく使う。止まっていた分寒い。


この道はあかん!
思わず思いました。
道狭い、交通量多い、路面悪い。おまけにトンネル大量。死ぬかと思いました。


路肩が狭いので出来るだけ車道を走ろうとしますが、交通量が非常に多いのでその隙がない。たいてい白線の上を走っていれば快適に走れるのですが、この道路はそれさえもできない。ガッタガタで転びそうでした。それは大量のトンネル内でも同じで、それはそれは恐怖でした。ここで転んだら轢かれる。


あえていいところを挙げるとすれば、トンネルが短いこと、そしてトンネル内が温かいこと。それくらいです。景色を見る余裕がない。


そんな思いをしないように、和歌山県ではWAKAYAMA800というブルーラインが整備されています。全長は県内で約800kmというかなりのスケールです。これがこれから「太平洋岸自転車道」となって整備されて総距離1400kmもの自転車道の一部となるそうです。できたならば恐ろしい話です。


大量トンネル区間ではトンネル回避のためにちょっと坂を登るようなコースを取っていますが、私のように南向きに進んでいる時、コースが道路の反対側にあるので利用しにくく、今回はトンネルに特攻しました。


私はのちにこのWAKAYAMA800に合流することになります。


今回走っていて思ったのが、山間部では非常に走りにくいのですが、ひとたび街に入ると非常に走りやすいということ。
当たり前かもしれません。しかし、山から降りてきた先に街がある安心感はなんとも言えません。また、舗装も街の方がしっかりしているので。


加茂郷駅付近からきのくに線が見えてきます。そして走りやすくなります。とはいっても走っている時に何駅かはわかりません。そして、防寒のため駅には寄りません。


そして、なんとか山間部を抜けて、有田市に入っていきます。
42号で有田川を渡るのは面倒なので、少し川沿いを進み、箕島駅南側にある安諦橋で渡ります。
ほんの少し42号を行き、そして、野交差点からお待ちかねのWAKAYAMA800が始まります。きちんと誘導看板やラインがあるのでとても安心。しばらくあの42号からはおさらばです。


交通量が割と少なくて走りやすい。坂がきついのではないかと心配していましたが、それほどでした。
そんなことより、ブルーラインがあるのが非常に嬉しい。もう迷わない。


少し坂を登ると、目の前に広い海が広がってきます。実はこの旅で1番きれいに海を見ることができた区間でした。このまま湯浅まで突き進みます。


湯浅市内に入ったところで、醤油発祥の地の看板がありました。確かここはWAKAYAMA800の「湯浅の街並み・白崎海岸」のコースです。


ここで醤油が創られたのかと思うと感慨深い。
先ほどから湯浅市内は観光地が多い。あまりさっさと行くところではないのだけれども今回はパス。


引き続きブルーラインに従って進んでいく。
疲れてきたので広川ビーチ駅で休憩。13:00
時刻表はありませんでした。ただ、屋根付きの広いスペースがあったので助かりました。ここでパンや水を補給。
ここにはWAKAYAMA800のチェックポイントである広川町立ふれあい館がありました。ここによって温かいご飯を食べても良かったのですが、ここは甘えず。多分ここにいくと帰りたくなってしまう。駅前ですし。
駅前はビーチ?という感じで、駅前には山が広がっているだけです。
利用者としては、目視で10人くらいでした。きのくに線はここからトンネルで山を抜けていきます。ということは私が行くのは山に違いない。


これまた長く休憩しました。
次は御坊に向かいます。


肝心の広川ビーチは堤防でよく見えませんでした。
しばらく走ると上り坂になり、ちょっときつかったので押していきました。


これがすごいことになった。
進んでいく道を挟んで両側に山なみがあり、みかんばたけが広がっているのですが、その片側の山からパン!といった音が聞こえました。その音は谷で反響していました。

何か狩りでもしているのかなと思いそのまま進んでいると、またパン!という音が今度は反対側の山から聞こえてきました。また音が反響しました。もう1発かな?なんて思っていると、今度はまた最初の山からパン!という音が最初よりも大きく聞こえました。狩りの現場に近づいているのか?と思っていると、今度はまた反対側の山からパン!と音がしました。

そういえばさっきから等間隔でなっていて不気味だな、、、。なんて思っていると、次の瞬間、耳の横でパン!!!となったのにはさすがにびっくりしました。死にかけました。本日2度目。そして、しばらくして火薬の匂いがしました。


後で分かったことですが、みかんばたけを守るために火薬を使って音を出し、猿などを追い払う装置があるようで、原因はこれだったようです。


これのおかげで余計に疲れてしまいました。しかし、今の体で坂を登れないので、そのままとぼとぼと押していきます。


また、耳の横で大きな音がしたのはいうまでもありません。現場を早く抜けないからです。


さて、えらい目に合ったところで分岐に差し掛かります。ブルーラインは右折して海沿いをそのまま走りますが、今回はショートカットしてトンネルをくぐりました。右折すると美しい白崎海岸があるのでまた行ってみたいと思います。


そういえば、先ほどの坂道を通らなくてよくて、高度も低いというルートを先ほど見つけました。今度はそうしようかな。


トンネルは車も少なくて走りやすい。
少しいくと、かの42号線に入ります。
海南の時よりは交通量が少ないので少しは走りやすくなっていましたが、油断は禁物です。


下って下ってきのくに線が左にカーブしていったところで自分も左折して、久しぶりの街中を走り、
御坊駅着 14:30 時刻表収集
とてもこじんまりとした駅で、中には学生の団体がいました。ちょうど紀州鉄道の電車が発車していき、レトロな雰囲気満載でした。確か電車ではなく気動車。営業係数が日本で最悪だそうです。時刻表はコピー用紙のものでした。


駅前は塾などもあって栄えていますが、思っていたほどではありませんでした。全特急停車駅のイメージの割には。
きのくに線の本数がここで結構減るので帰るなら今のうちです。そういえば、紀勢本線の御坊駅~多気駅間(283.8km)はJRやその他の鉄道事業者の鉄道路線に接続する乗り換え駅がないそうで、これは日本において最長だそうです。紀伊半島の特徴がこれでよくわかります。


駅スタンプがあって(海南、紀伊田辺にもあった)、この駅はクエがデザインされていました。ちょうど駅に飾られていた絵と同じで、いかつい顔をしていました。比べてみると、自転車と同じくらいの大きさでした。


コンビニでパンを補給し、再出発。例によって休憩が長めです。


さて、ここからがいよいよ本番です。
日高川を渡ると、アップダウンが連続します。全て1回きりの登りで、変にくだりなしで2回連続で登らせたりしないのですが、まあ多い。
海沿いを走っているのは分かるのですが、いまいち海が木などで見えない。
※見えるところはあります。


そんなわけであまりいい区間ではありませんが、頑張って走ります。


途中、左から山、道路、鉄道、そして海という区間があって、そこは印象に残っています。


みなべ町までが長いのですが、そこから田辺まではすぐなので、みなべまでを考えると精神的に楽でした。


南部の街中に浜のようなところがあったので寄ってみました。
たしかに景色が良かったですが、すぐそこが国道なので音がかなり気になりました。そこが残念だったかな、、、。


その近くの路地に入るところに高速道路を紀南へ!といううさぎの描かれた標識があったので驚きました。ちなみに今ではかなり紀南まで高速道路が伸びています。


近くにここから新宮まで127kmという標識がありました。不可能ではないが、今からはかなりきつい。


さて、幾度となく山を越えて、田辺市に入っていきます。明洋交差点で国道を外れて、駅に向かいます。この辺りでようやく雨が上がりました。もうすぐゴールなんですが。


田辺市はかなり栄えていました。銀座交差点なんていうのもあって、その通りはとても煌びやかでした。すごい!


そして、紀伊田辺駅着 17:00   時刻表収集
駅がかなりきれい。敦賀駅を思い出す、新築感あふれる建物でした。
少し横に目をやると、駅前は昭和な建物が並んでいました。駅の駐輪場にはかなりの台数がありました。


もう日が沈んできたので先を急ぎます。
もともと走っていた県道をそのまま進みます。そうすると、白浜までは1本道です。


国道42号と接するところを右折して、だんだんと車が多くなっていきます。
時々海が見えるかなーと思いましたが、ほとんど見えず。これは地図ではわからない。
ホテルが立ち並ぶところ以外はただの山道。これも地図ではわからない。


驚いたのが、業務スーパーが白浜にあったことです。どういう人が使っているのだろうか?


温泉の匂いがしてきたところで、ついに

白良浜到着 18:00

あたりは真っ暗。海も浜も真っ暗。砂は雨のせいでカッチカチでした。ただ、遠くにあるホテルの温かいオレンジ色の灯火があるのみでした。
目の前で波が打ち寄せてきていて、ざあーっと音を響かせていました。あたりに人がほとんどおらず、しばらくぼーっとしていました。


さて、白良湯に入ろう!と思ったのですが、、、。大阪から来た人はダメだそうです。
えーーーー!?
これは完全に下調べ不足。他の温泉も基本的にダメなようです。
ここまで雨に濡れても頑張って来れたのは温泉の存在のおかげだったのに、、、。


走行している間に、白浜駅に行かなければならなくなりました。さようなら、白浜。
私は何をしに来た?
まあ、雰囲気は味わえたかな。後、ルートやその詳細も把握できたかな。


もと来た道をすこし戻り、そして
白浜駅に到着。19:00   ショックで時刻表収集を忘れる。


観光地の駅前ですが、非常に静か。建物もまばらでした。確かに、白浜の中心からは離れていますから。
また白浜ならば、大阪からであればバスで行く場合も多いことが関係しているのかもしれません。
あとはコロナですね。お風呂入らせろ!!!


駅でパッと着替えて、輪行をして、お土産を買い、くろしお号に乗ります。今回は時間に余裕がありました。


くろしお36号の停車駅は、紀伊田辺、御坊、海南、和歌山、日根野、天王寺です。ちょうど寄った駅だけに停まる速達型でした。


意外と駅間が長い。制限速度の関係で、あまり速度が出せないからでしょうか。
そろそろ文明の利器の凄さに慣れてしまって、あまり驚きを感じなくなってきました。


あと気づいたのが、きのくに線が意外と高架が多いことです。外は真っ暗で街すら見えるかあやしかったですが、これはわかりました。できれば車窓から海を見たかったんだけれども。今日見たからいいか。


広川ビーチもあっさり通過、他の主要駅なども本当に一瞬で通過したので、なんかよくわからなくなってくる。


和歌山駅に近づいてくると、ようやく自分がどこにいるのかが分かってきました。
ここからは見たことのある景色。
今まで通過しまくっていたので、いざ阪和線で通過しまくっても違和感がない。
あっという間に天王寺に着きました。ここからは特急を使わずに。


こうして白浜旅は終わりました。



読んでもらったら分かる通り、まさに修行となりました。頑張った割に報われない(風呂に入れない)ということになってしまったので。


ただ、白浜まで意外とあっさりいけてしまうことがわかりました。ちなみに結構休憩して12時間かかりました。


厳しい紀伊半島に初挑戦しました。確かに辛かったですが、今となっては白浜を楽しむために再挑戦、、、。いや、白浜観光は電車かな?白浜は範囲が広いので。
でも、行くかもしれません。


和歌山県は大きいので、今度は和歌山県北部を標的としてサイクリングをして行こうかなと思っています。加太や高野山など。


なんだかんだで充実した白浜ライド。
次はどこへ行こうか。